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宮下 由香*; 秋山 和彦*; 初川 雄一; 千葉 和喜*; 只井 智浩*; 佐藤 祐太*; 久冨木 志郎*
no journal, ,
金属内包フラーレンは籠状構造をもったフラーレン内部に金属原子を取り込んだ特徴的な構造を持つ分子である。この構造を利用して、金属フラーレンは放射性同位元素など有用な金属原子を罹患部などへ輸送するドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されている。放射性の金属内包フラーレンの合成法は原子炉中性子による安定同位体を内包した金属内包フラーレンの照射や加速器などを利用して合成した金属元素からアーク放電法などで直接金属内包フラーレンを合成する方法などが挙げられる。一方、これらの方法で合成した放射性金属フラーレンはキャリアを多く含むことや炭素数の異なる目的外のフラーレン化学種に放射性元素が分散するなど、問題点も多い。そこで、本研究では高エネルギー中性子による核反跳現象を利用してフラーレン内部に放射性元素を取り込ませることでキャリアフリーな単一分子種の放射性金属フラーレンの合成を試みた。